日本の夏

しかし暑い。30度が涼しく感じることで人間の適応能力を改めて認める。

かつてない気象、災害により、テレビのニュース、天気予報においても危機意識を高めるため、より明確な言葉を使って視聴者を啓蒙しようとしていることがわかる。

「命を守る行動をとってください」「躊躇なくエアコンを使用してください」

これらのメッセージから、我々の意識と現実のギャップを読み取ることができる。

「命を守る行動をとってください」大雨といっても、家にいれば大丈夫だろう。むしろ家から出るほうが危険じゃないのか、という意識がある。実際大雨の際に家を出て避難するなんてのはかなりダルイのである。

しかし現実に川が氾濫し、家が水に浸かる。また山崩れが起こり、家が潰れてしまう。今までは現実感が伴わなかった「水害から自らの命を守る」ため自己責任で行動に移さなければならない。

今までも、そういうリスクはありますよと言われていたとしても、実際起きることはないであろうと思っていたことが、現実として起きてしまうようになったようだ。

「躊躇なくエアコンを使用してください」基本夜寝るときはエアコンを切るか、タイマーをセットしていた。朝までつけていたら喉が痛くなったりするのだ。

しかしそれで熱中症になってしまう。昔も日射病なんて言葉はあったが現実になった人を見たことがなかった。しかし今は、熱中症に気を付けて、というのは夏の間、最も頻繁に使われる挨拶になったようだ。

かつて香港や東南アジアの空港から一歩出た時に感じた亜熱帯の空気。日本の夏はすでにその仲間入りをしたようだ。それを当たり前のものとして捉え、いちいち気を滅入らないようにしたい。

また、いつか起こると言われてきたけど起きなかった河川氾濫のハザードマップ。これからは大雨が予測される段階で水害に備え、車を立体式の高い場所にあるパーキングに移動したり、また自分が避難したりしなければならない。

環境は変わる。もちろん変わらないものなんて無いが、自然環境については我々の意識を塗り替える時期に既に差し掛かってしまったようだ。